A.原則として、総量規制オーバーでお金を借りられる銀行や消費者金融はありません
総量規制が設けられている目的には、個人の借り入れ総額が年収の3分の1以内に収まるようにすることで、借り過ぎによる返済困難を防ぐことにあります。この規制を超えてることを知りながらお金を貸し付ける業者は、違法な高金利を課したり、取り立てが厳しかったりするいわゆる、闇金業者がほとんどなので利用してはいけません。
総量規制オーバーの人が注意すべきサービス
借金買取
借金買取とは、赤の他人の借金を代わりに返済すると謳ったサービスです。しかし、実際にこのようなサービスは存在せず、借金を抱えて生活が苦しい人の心理を利用した、闇金や違法な個人融資に繋げる集客の手段になります。
冷静に考えれば赤の他人の借金を見返りなしで肩代わりするメリットがありません。「世の中への恩返し」や「税金対策でお金を使いたい」といった言い訳で集客するのが常套手段です。
SNSを使った借金買取という架空のサービスは闇金やその他の詐欺商材のリストへの追加が目的なので関わると、借金がなくなるどころか増えてしまう可能性が非常に高いので絶対に甘い言葉に乗らないようにすべきです。
本名や所在地、所属会社などを明かさない匿名の人間の言葉を信じることはやめましょう。また、彼らは「今のままで変わらない」といった現状を煽る言葉で誘導してきますが、これはマーケティング手法なので乗っからないようにしましょう。
SNSでのお金貸します
Twitter(X)やネット上の掲示板では「ブラックでも貸します」、「即金いけます」といった謳い文句で本当にお金を貸している人間がいます。
しかし、これらの貸付の多くはトイチ(10日で10%の利息)、トサン(10日で30%の利息)、トゴ(10日で50%の利息)がつくことがほとんどで、法定金利を遥かに超える利息を払う必要があります。
つまり、闇金ということになります。闇金や個人融資は貸金業を認められていない人間が違法に貸付を行う行為です。彼らにモラルはなく、返済ができない相手には個人情報を拡散、職場や家族への連絡、嫌がらせ等を容赦なく行います。
お金が今ないからといって手を出してしまうと確実に破滅に向かうので手を出してはいけません。
現金あげます
Twitter(X)でよく見られる投稿が「現金配布します、希望額をDMで送ってくれ」といったものです。これらはフォロワー稼ぎの集客であったり、お金に困っている人にDMを送らせることで違法貸付のリストを作る手段として行われるものです。
中には自身のサービスを広めたくて本当にpaypayやAmazonギフト券などを一定数の人間に配る人もいますが、大体は少人数で限られたり、金額が少額の場合がほとんどです。
言い値をあげる、DMをくれた人全員が対象といった投稿は関わらないようにしましょう。どうせ匿名だし、もしかしたらワンチャン…と思っても関わるべきではありません。
なぜなら、一度関わると「もしかしたら…」という弱い心理に付け込まれて一気に営業をかけられ、気づけばお金を貰うどころか払う側になっている可能性が非常に高いからです。(違法貸付による高額利息の返済や詐欺商材を掴まされるなど)
借金減額診断
「借金をチャラにできる!?診断してみよう」、「即支払いがゼロになる!診断してみよう」、「国が認めた救済制度が使えるか診断してみよう」といった誘導広告には注意が必要です。
そもそも借金の支払いがゼロになるのは自己破産であり、自己破産手続きには半年程度の時間が必要です。つまり、すぐ借金はゼロになりません。
また、これらの広告を展開する法律事務所の中には自己破産すべきなのに任意整理を行い、無駄にお金を支払わせる悪徳事務所も多く存在します。
確かに総量規制オーバーでどこからもお金が借りられない人は債務整理をすべきです。つまり、変な広告で集客している事務所ではなく、債務整理の仕組みや内容をきちんと説明してくれる事務所に相談依頼すべきということです。
総量規制オーバーの人が検討すべきこと
債務整理
債務整理は任意整理、個人再生、自己破産の手続きを総称するものです。
任意整理は貸金業者と直接交渉を行い、利息の減額や分割支払の回数を増やして返済金額を少なくしてもらう手続きです。任意整理は個人でも行うことができますが、多くの場合は利息をなくすなら一括で支払って下さいと言われることがほとんどです。
しかし、司法書士や弁護士を通して任意整理を行うと利息だけが減額され、分割支払で元金返済のみにできることがほとんどです。つまり、任意整理は個人でもできると言いながら法律に詳しい組織が介入した方が優位に交渉を進められるということです。
個人再生、自己破産は弁護士を立てて裁判所で行う法的手続きになります。ローンが残っているものや価値のある資産は原則として回収対象になりますが、返済額を大幅に減らしたり、支払い全てを免責(払わなくてよい)することができます。
債務整理にデメリットはないのか
債務整理をすると信用情報機関に債務整理をしたことが記されるため、5年〜10年は金融ブラックとしてクレジットカードの作成やローンを組む、お金を借り入れる、携帯電話の分割支払い契約といったことができなくなります。
ブラックになることに抵抗を感じる人は多いですが、そもそも総量規制オーバーでお金を借りようとしている人は既に金融ブラックである可能性が高く、手続きをしてもしなくてもブラックで変わりないことがほとんどです。