「浄水器は意味がない」そう思っているあなた。しかし、本当にそうでしょうか? 実は、浄水器の必要性は、地域や家庭の事情によって異なるものです。
つまり、選び方や使い方次第で、浄水器の効果を最大限に引き出すこともできます。 さらに、浄水器以外にも、安全でおいしい水を手軽に得る方法があることをご存知ですか? 本記事では、浄水器の実際の効果と、それに代わる選択肢をわかりやすく解説します。
浄水器が意味ないと言われる理由
浄水器を使う必要がないと言われる理由はいくつかあります。その中でも、日本の水道水の安全性、浄水器の効果の限界、メンテナンスの重要性などが主な理由として挙げられます。以下で詳しく説明していきましょう。
日本の水道水は世界的に見ても安全
日本の水道水は、世界で最も安全で飲用に適していると言われています。水道法によって、厳しい水質基準が定められており、定期的な検査も行われています。水道事業者は、基準に適合した安全な水を供給する責務を負っています。
そのため、日本の多くの地域では、蛇口から直接水を飲んでも健康上の問題はありません。浄水器を使わなくても、十分に安全でおいしい水が飲めるのです。
浄水器の効果には限界がある
確かに浄水器は、水道水に含まれる塩素やその他の不純物を除去する効果があります。しかし、その効果には限界があることも事実です。
浄水器は、あくまでも水道水に含まれる特定の物質を除去するだけです。水道水そのものの安全性を高めるわけではありません。また、除去できる物質の種類や除去率は、浄水器の性能によって異なります。
したがって、浄水器を使えば完全に安全な水が飲めるというわけではないのです。
メンテナンスを怠ると逆効果になる可能性
浄水器は、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。フィルター(カートリッジ)の交換を怠ると、逆に水質を悪化させる可能性があります。
フィルターには、除去した不純物が蓄積していきます。交換時期を過ぎたフィルターを使い続けると、不純物が水に溶け出したり、雑菌が繁殖したりするリスクがあります。
また、浄水器本体の定期的な清掃も重要です。メンテナンスを怠ると、せっかくの浄水器が、かえって水を汚染する原因になってしまうこともあります。
浄水器を使う場合は、こまめなメンテナンスが欠かせません。手間やコストを考えると、浄水器を使うよりも、直接水道水を飲む方が良いと言う人も一定数います。
浄水器を付けるべきケース
浄水器が必ずしも必要ではないという意見もある一方で、浄水器を使うことでメリットがある場合もあります。ここでは、浄水器を付けることをおすすめしたい具体的なケースを3つ紹介します。
水道水の臭いや味が気になる場合
水道水の臭いや味に敏感な人にとっては、浄水器を使うことで大きなメリットがあります。浄水器のフィルターには、活性炭などの素材が使われていることが多く、これらの素材が水に含まれる塩素やカビ臭の原因物質を吸着して除去してくれます。
浄水器を通した水は、臭いや味が改善され、よりおいしく感じられるでしょう。水道水の臭いや味が気になって、直接飲むのを躊躇している人には、浄水器の使用がおすすめです。
赤ちゃんやペットのために安心な水を使いたい場合
赤ちゃんは大人に比べて体が小さく、免疫力も十分に発達していないため、水道水に含まれる微量の不純物の影響を受けやすいと言われています。また、ペットにとっても、水質の良し悪しは健康に大きく影響します。
赤ちゃんの飲み水や調乳用の水、ペットの飲み水には、できるだけ安全で純度の高い水を使いたいものです。浄水器を使えば、塩素やその他の不純物を除去した、より安心な水を得ることができるでしょう。
古い配管の家に住んでいる場合
築年数の古い家屋や古いアパートに住んでいる場合、水道管の老朽化が進んでいる可能性があります。古い配管では、錆びや劣化によって、水に不純物が混入するリスクが高くなります。
特に鉛製の古い水道管からは、鉛が溶け出す危険性があります。長期間にわたって鉛を含む水を飲み続けると、健康に悪影響を及ぼすことが知られています。
このような古い配管の家に住んでいる場合は、浄水器を使って不純物を除去することをおすすめします。浄水器のフィルターが、配管から溶け出した鉛などの有害物質を取り除いてくれるので、安心して水を飲むことができます。
浄水器選びのポイント
浄水器を使うメリットがあるケースでは、自分の家庭に合った浄水器を選ぶことが大切です。ここでは、浄水器選びの際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
除去物質と除去率をチェック
浄水器選びで最も重要なのは、除去対象物質と除去率を確認することです。浄水器には、様々なタイプのフィルターが使われており、除去できる物質や除去率は製品によって異なります。
自分が気になる物質(塩素、トリハロメタン、鉛など)を除去できる浄水器を選びましょう。除去率が高いほど、よりきれいな水が得られます。各製品の除去物質と除去率は、パッケージやカタログに記載されているので、よく比較して選ぶことが大切です。
家庭の水使用量に合った機種選び
浄水器は、家庭の水使用量に合った機種を選ぶことが重要です。少人数世帯や単身世帯なら、蛇口直結型のコンパクトな浄水器で十分でしょう。大家族なら、大容量タイプの据え置き型がおすすめです。
また、お湯を頻繁に使う家庭なら、加熱に強いフィルターを採用した製品を選ぶと良いでしょう。自分の家庭の水の使い方に合わせて、最適な浄水器を選びましょう。
コストパフォーマンスの良い製品を選ぶ
浄水器は、本体価格だけでなく、ランニングコスト(フィルター交換費用など)も考慮に入れて選ぶことが賢明です。
安い浄水器でも、フィルター交換が頻繁に必要だと、トータルのコストが高くつく可能性があります。一方、初期投資が高くても、フィルターの交換頻度が少なく、長く使える製品なら、結果的にお得になるケースもあります。
本体価格とランニングコストのバランスを考えて、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶようにしましょう。
浄水器以外で安全で清潔な水を飲む2つの方法
浄水器を使わずに、安全で清潔な水を飲む方法はないのでしょうか。ここでは、浄水器の代替案として注目されている「ウォーターサーバー」を2つのタイプに分けて紹介します。
独立型のウォーターサーバー
独立型のウォーターサーバーは、ボトルに入った清浄な水を使用するタイプです。定期的にボトルを交換することで、いつでも新鮮で安全な水が飲めます。
衛生面で優れたお水が飲める
ウォーターサーバーに使われる水は、厳しい品質管理のもとで製造されています。自然水や RO 水(逆浸透膜ろ過水)など、高い清浄度を誇る水が使われているので、安心して飲むことができます。
お湯も冷水もすぐに使える
ウォーターサーバーなら、お湯と冷水がすぐに使えるので便利です。コーヒーやお茶を入れたり、赤ちゃんのミルクを作ったりするのに最適です。浄水器では常温の水しか得られませんが、ウォーターサーバーならその場で好みの温度の水が使えます。
ボトル交換や定期メンテナンスで常に清潔
ウォーターサーバーは、ボトルの交換時に、サーバー内部も清掃するので、衛生的に使用できます。また、定期的なメンテナンスにより、サーバー内部の汚れや雑菌の繁殖を防ぐことができるので、いつでも清潔な水が飲めます。
水道直結型ウォーターサーバー
水道直結型のウォーターサーバーは、水道水を直接ろ過して使用するタイプです。高性能のフィルターを内蔵しているため、安全でおいしい水が飲めます。
高性能フィルターで水道水を浄化
水道直結型ウォーターサーバーには、高性能のフィルターが内蔵されています。活性炭フィルターや中空糸膜フィルターなどを組み合わせることで、塩素やその他の不純物を効果的に除去します。浄水器と同等以上の浄化能力を持っています。
ボトル交換不要で使い勝手が良い
水道直結型なら、ボトルの交換が不要なので、とても便利です。ボトルの保管スペースも必要ないため、省スペースで使えます。また、水道水を使用するので、水の買い置きも不要です。
浄水器よりもランニングコストを抑えられる
水道直結型ウォーターサーバーは、水道水を使用するため、ランニングコストを抑えられます。ボトル交換が不要なので、ボトル代もかかりません。フィルター交換の費用はかかりますが、浄水器に比べると、トータルのコストを節約できる場合が多いです。