目のきわにできる白いできものには、マイボーム腺梗塞、霰粒腫、麦粒腫があります。これらは、まぶたの油脂腺が詰まることで発生し、痛みや視力への影響を引き起こすことがあります。初期対策として、清潔な温かいタオルを使用して目の周りを温め、詰まりを和らげると効果的です。しかし、改善が見られない場合や症状が悪化する場合は、専門の眼科医の診断と治療が必要です。毎日の目の清潔を保ち、化粧品の使用を控えることも重要です。
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目のきわに白いできものができる原因
マイボーム腺梗塞
マイボーム腺梗塞は、まぶたの油脂を分泌するマイボーム腺が詰まることで発生します。通常、この腺は目の乾燥を防ぐ油分を分泌していますが、分泌物が詰まると小さな白いできものが形成されることがあります。詰まりが進行すると、炎症や痛みを伴うこともありますが、多くは自然に解消されることが一般的です。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
霰粒腫は、マイボーム腺の一種である脂腺の出口が塞がれることにより、分泌物がたまり固まってできることがあります。これにより、まぶたに硬いこぶのようなものができることがあります。霰粒腫は痛みを伴わないことが多く、見た目の問題以外は大きな健康リスクを伴わないことが一般的です。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
麦粒腫は、マイボーム腺またはまつ毛の毛根が細菌感染を受けることにより発生します。感染が原因で炎症が起こり、まぶたが赤く腫れ上がり、痛みや膿を伴うことがあります。この状態は感染が広がるリスクがあるため、適切な治療が必要です。
これらの状態は、目の周りの衛生状態を保つことや、不必要な刺激を避けることで予防することが可能です。特にメイクアップ製品が原因で症状が悪化することがありますから、使用する際は注意が必要です。
目のきわに白いできものができたらまずすること
温めたタオルでの蒸しタオル治療
マイボーム腺梗塞に効果的な自宅でできる簡単な治療方法として、温めたタオルを使用する方法があります。この方法は、まぶたに温かいタオルを当てることで、詰まった腺の油分を溶かし流しやすくするのが目的です。タオルを水で濡らして絞り、電子レンジで約1分間温めた後、5~10分程度まぶたの上に置きます。この治療は、日に2回程度行うと効果的ですが、1週間以上改善が見られない場合は専門の医療機関を受診することが推奨されています。
目の周囲のマッサージして血行を促進
目の周囲を優しくマッサージすることで、血行を促進し、腫れや痛みを和らげることができます。マッサージは、清潔な手でまつ毛の生え際を軽く左右に動かしながら行います。このプロセスは、マイボーム腺の油分の流れを改善し、詰まりを解消するのに役立ちます。ただし、強く押しすぎたり擦ったりすると症状を悪化させることがあるので、優しく行うことが重要です。
アイメイクやコンタクトレンズ使用を控える
アイメイクやコンタクトレンズの使用は、目の刺激となり、マイボーム腺梗塞やその他の眼の問題を引き起こす原因となります。特に症状が現れている間は、これらの使用を避けることが推奨されます。アイメイクは腺を詰まらせる原因になることがあるため、まぶたが完全に治るまで最小限に抑えるか、完全に避けるべきです。
眼科に行く基準と治療法
目のきわにできた白いできものが痛みや痒みを伴う場合、または視力に影響が出るような場合は、すぐに眼科を受診すべきです。また、できものが大きくなったり、数が増えたりすることも注意が必要です。
自宅でのケアで改善が見られない場合や、腫れが増しているような感じがする場合も眼科での受診が必要です。感染の可能性がある場合は、速やかに治療を受けることで重症化を防ぐことができます。
点眼薬や抗生物質を服用する治療
感染が原因で炎症が発生している場合、医師は点眼薬や抗生物質を処方することがあります。これらの治療は、感染を抑制し、炎症を軽減することを目的としています。点眼薬は、直接的に目の表面に作用し、感染の拡大を防ぎます。抗生物質は、感染している細菌に対して効果を発揮し、迅速な改善を促します。
手術が必要なケースもある
持続する霰粒腫や麦粒腫が自宅での治療によっても改善されない場合、手術的な介入が必要になることがあります。この手術は通常、局所麻酔下で行われ、腫れ物を切開し中の脂肪や膿を除去します。手術は比較的簡単で、通常は外来手術で完了します。手術後は感染予防のために抗生物質を使用することが一般的です。
目のきわにできものができないための対策
洗顔後は清潔なタオルを使用する
目のきわにできものを防ぐためには、洗顔後のタオルの使い方が重要です。使用するタオルはいつも清潔に保ち、他の用途で使ったタオルとは分けておくことが望ましいです。洗顔後、タオルで顔を強くこすらずに優しく押さえるようにして水分を取り除く方法が肌への刺激を減らし、目の周りの敏感な部分を保護します。
アイメイクに気をつける
目元の化粧品はできものの原因になることがあります。特に油分を多く含むアイライナーやマスカラは、マイボーム腺を詰まらせるリスクがあります。できものを防ぐためには、アイメイクの際には品質の高い製品を選び、使用後は必ずしっかりとクレンジングをすることが重要です。また、目の内側にアイラインを引く習慣は避け、目の周りは特に丁寧にメイクを落とすようにしましょう。
油分の多い食生活を控える
食生活が肌の健康に大きく影響することはよく知られています。特に油分の多い食事は、体内の油分のバランスを崩し、マイボーム腺の詰まりやすくなる原因となります。目のきわにできものを防ぐためには、揚げ物やファーストフードなどの油っこい食事を控え、野菜や果物を多く含むバランスの取れた食事を心がけることが効果的です。不必要な油分の摂取を避け、体内の油分のバランスを整えることが、目の健康を保つ一助となります。