グロッソスティグマは水槽内に水草の絨毯を作れる品種として人気のある水草です。ですが、育成のコツを知らない人はco2なしでは育てられない、co2なしでは難易度が高いといった誤ったことを発信する人がいます。
ですが、実際にはグロッソスティグマはゆっくりではありますが、co2なしでも地を這いながら綺麗な緑色を発色しながら育ちます。この記事ではco2なしでも育つ理由や育てるコツを紹介していきます。
グロッソスティグマがco2添加なしでも育つ理由
品種じたいの成長が早い
グロッソスティグマといえば水草絨毯を作る代表的な水草ですが、なぜ代表的なのかといえば、成長速度の早さにあります。
グロッソスティグマは成長速度の速い品種なため、co2や栄養が添加されていれば2週間程度で水槽全体を這うように育ちます。
水中にも微量なco2があるから
水槽内にco2を添加しなくても、co2が発生する要因が存在します。
それは熱帯魚の呼吸や水草の呼吸です。グロッソスティグマや他の水草も光合成をしない間はco2を排出します。そのため、水槽内に水草が多く、夜間にエアレーションを全くしない場合、co2濃度が高くなり、熱帯魚が夜間に酸欠を起こしたり、水質変化によって弱体化するといったことが起きえます。
この点を踏まえるとco2添加をしなくてもグロッソスティグマが育てられる条件は作れるということになります。
グロッソスティグマがco2添加なしで育てるリスク
成長不良になることがある
CO2を多く必要とするグロッソスティグマに対して、CO2の添加を行わない場合、必要な栄養が不足し、その成長に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
例えば、私たち人間が十分な栄養を摂らないと、病気になりやすくなったり、成長に障害をきたしたりするように、グロッソスティグマも必要な栄養が不足すると、健全に育たなくなります。その結果、生長速度が遅くなる、色合いが薄れる、葉の厚みが減るなど、グロッソスティグマが本来持つ美しい姿を堪能することができなくなるケースもあります。
コケに覆われて綺麗に育てにくい
CO2を添加しない水槽では、二酸化炭素(CO2)が不足し、グロッソスティグマの生長が遅れがちです。生長が活発なグロッソスティグマは、水槽内の窒素やリンなどを栄養として吸収しますが、生長が遅れると、これらの吸収も低下します。
結果として、水槽内に残った窒素やリンは、放置されてコケの栄養となります。これが、コケが繁茂しやすくなる一因となります。
特に、前景草であるグロッソスティグマを育てるために強い照明を使用している場合、その光がコケの成長を一層促進します。強い光とCO2の不足は、コケにとって理想的な環境を生み出します。
グロッソスティグマをco2添加なしで育てる方法
光量はしっかり浴びせる
グロッソスティグマは光量不足になると、茎が伸びて地面を這うように育ってくれません。30cm水槽なら最低でも500lm以上が必要になってきます。ソイルから高さのある水槽はより強い光量が求められるので、低スペックな水槽ライトより、なるべく高出力のLEDライトを選ぶべきです。
水槽規格 | 最低限欲しい光量 |
---|---|
30cm | 500lm〜 |
45cm | 1,000lm〜 |
60cm | 2,000lm〜 |
90cm | 3,000lm〜 |
主な基準参考商品:リーフグロー、suisaku300~、KOTOBUKIツイン、GEXパワーⅢ、アクロtriangle
水槽ライトを昼夜でタイマー管理する
水槽内を常に照らしていると熱帯魚に悪影響を及ぼすだけでなく、水草も育成のチャンスを失うことになります。先述したように、夜間は水草は光合成せずに呼吸によるco2排出を行います。
co2排出のタイミングが無ければ水中内のco2は増えないので結果としてグロッソスティグマが育ちにくくなります。
エアレーションを常時行なう
co2添加をしていないのにエアレーションを行ったら、ますますco2無くなり育たなくなるのでは?と思うかもしれません。
しかし、エアレーションで取り込める酸素量には限界があり、水中内のco2が空気に漏れてしまうというのはたかが知れています。
それよりもエアレーションをすることで緩やかな水流が生まれ、さらに空気中のco2を取り込めるチャンスも増えるため水槽内の循環がより良くなります。
エアレーションを常時行なうことで極端な酸欠を防ぎつつ、グロッソスティグマを緩やかに育てることができます。
栄養(窒素)を埋め込む
グロッソスティグマの成長不良の一つに「白化していく」という現象があります。白化してしまうと色を戻すことができないので、その部分をトリミングして新芽を出して蘇生させる必要があります。
グロッソスティグマが白化してしまう原因の一つは窒素不足です。
グロッソスティグマはco2なしとはいえ、成長速度の速い水草なので、ソイルに含まれる窒素が不足してしまいがちです。白化現象を防ぐために、ソイルには窒素を含んだ肥料を敷いておくことをおすすめします。
固形でソイルに埋め込みできる肥料としてカミハタのOKOSHIがおすすめです。テトラ社のイニシャルスティックは固形肥料でメジャーかつポピュラーですが、窒素は肥料として十分な量がありませんのでこちらの方が有効です。