喉のムズムズ感や止まらない咳は、気管支喘息、咽頭炎、アトピー咳嗽、喉頭アレルギー、逆流性食道炎など様々な原因によって引き起こされます。
これらの症状を和らげるためには、横向きに寝る、濡れマスクを使用する、適切な水分摂取、漢方薬の活用、ツボを押すなどの対処方法が有効です。また、温かい飲み物を摂取し、刺激物やタバコを避けることも重要です。
これらの方法で症状が改善しない場合は、専門医に相談し、早めの診断と治療を受けることが勧められます。咳が長引く場合は、重大な病気の可能性もあるため、注意が必要です。
喉がムズムズして咳が止まらない原因
気管支喘息・咳喘息
気管支喘息や咳喘息は、咳とともに喉の違和感やムズムズ感を伴うことがあります。特に朝や夜、季節の変わり目に症状が悪化することが多く、アレルギー原因物質の吸入で症状が増悪することもあります。肺機能検査や呼気一酸化窒素濃度の測定により診断され、吸入ステロイドや吸入気管支拡張薬による治療が効果的です。
咽頭炎・喉頭炎
咽頭炎や喉頭炎は、ウイルス感染によって喉に炎症が起こり、咳や喉の痛みを引き起こします。風邪の他の症状として発熱や鼻水も伴うことが多いです。細菌感染の場合は抗生物質による治療が行われます。また、喫煙や飲酒、アレルギーや逆流性食道炎によって慢性化することもあり、その場合はうがい薬や炎症を抑える薬、ステロイドのネブライザー治療が行われます。
アトピー咳嗽(がいそう)
アトピー咳嗽は、咳喘息と共通する症状がありますが、喉のイガイガ感やかゆみが特徴的です。多くの患者さんが花粉症を合併しており、鼻水が喉に垂れることで咳を誘発します。吸入気管支拡張薬は効果がなく、抗ヒスタミン薬や吸入ステロイド、ステロイド薬内服が行われます。
喉頭アレルギー
喉頭アレルギーは、花粉症やダニなどのアレルギーによる炎症が喉頭で起こる病気です。喉に痰が絡んだような感じ、かゆみ、イガイガ感、チクチクする痛みなどを感じます。抗ヒスタミン薬が効果的で、不十分な場合は吸入ステロイドが追加されます。後鼻漏や逆流性食道炎の合併も見られることがあり、それぞれの症状に応じた治療が行われます。
逆流性食道炎・咽喉頭酸逆流症
逆流性食道炎は、胃酸が逆流して食道に炎症を起こす病気で、胃酸が気管支や喉を刺激し咳を引き起こします。胸焼けやみぞおちの痛み、酸っぱいものが上がってくるなどの症状があります。胃酸を抑える薬や胃の動きをよくする薬が咳に対して効果があります。
喉がムズムズして咳が止まらない時の対処方法
横向きに寝る
横向きに寝ることで、気道を確保しやすくなり、夜間の咳を和らげることができます。また、横向きや上半身を少し高くすることで、呼吸がしやすくなり、鼻水や痰が喉に流れにくくなり、咳が軽減されます。
濡れマスクをつける
濡れマスクをつけると、喉や鼻の粘膜を潤す効果があり、気道の刺激となる乾燥や異物の侵入を防ぎ、咳を和らげることができます。就寝時のマスクのズレも防げます。
水分をとる
喉が乾燥すると咳が出やすくなるため、水分を摂ることが重要です。水分を多く摂ることで痰の粘度が低くなり、排出しやすくなります。
温かい飲み物を摂る
温かい飲み物を摂ることで、鼻や喉を加湿し、気道の線毛運動がスムーズになり、痰が出しやすくなります。はちみつを入れた飲み物は、殺菌作用や粘膜保護作用があり、喉を潤して乾燥を防ぐ効果があります。
漢方薬を活用する
漢方では、咳や痰の症状から根本的な原因を突き詰め、治癒を目指します。乾いた咳には麦門冬湯、激しい咳には五虎湯、湿った咳には竹茹温胆湯が効果的です。
ツボを押す
咳に効果のあるツボを押すことで、咳を和らげることができます。中府、尺沢、肺兪などのツボがおすすめです。ツボを押しながら深呼吸をすることで、咳の緩和につながります。
刺激物を避ける
冷たい飲み物、辛い食べ物、熱すぎる物、炭酸が強い飲み物、アルコールなどは、気道を刺激し、咳の原因になるため避けるようにしましょう。また、喉を使い過ぎないように注意し、カラオケや長時間のおしゃべり、大きな声を出すようなスポーツ観戦などは避けることが推奨されます。
タバコを控える
喫煙は咳を悪化させる原因の一つです。しつこい咳が止まらない場合は、喫煙を控えることが重要です。