任意整理は、多くの借入れを抱える人々にとって一時的な救済策となる場合がありますが、その後の生活において様々な制限が生じます。例えば、蓋を開けてみたら減額効果が期待ほどではなかったり、クレジットカードの利用や新たなローンの組み立てが困難になるなど、日常生活への影響が大きく後悔してしまうケースは珍しくありません。
このように任意整理=借金解決と認知する前に、手続きのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自身の状況に最適な債務解決方法を選ぶことが大切です。
任意整理を後悔する主な理由
期待してたより減額できなくて後悔
任意整理を選択する多くの人が、借入金の大幅な減額を期待しています。しかし、実際には債権者との交渉結果や個人の借入状況によって、想定よりも少ない減額しか実現できない場合があります。
この結果、当初の期待とのギャップから後悔の感情を抱く人が少なくありません。特に、高額な借入れを抱えている場合、期待した効果を得ることが難しくなる傾向にあります。
クレジットカードの更新や作成ができなくなって後悔
任意整理を行うと、信用情報に記録される(俗にいうブラックリストに載る)ため、クレジットカードの更新や新規作成が困難になります。
クレジットカードを持っていると返済に注力できなくなるという意見もありますが、現代社会において多くの人が日常生活でクレジットカードを利用しているため、この制限はかなり不便に感じることが多いです。
例えば、オンラインでの買い物や旅行の予約が難しくなるなど、生活の質に直接影響することもあります。このような不便さから、任意整理をしなければよかったと後悔する人もいます。
新しくローンが組めなくて後悔
任意整理後は、新たなローンを組むことが難しくなる点も大きなデメリットの一つです。住宅ローンや自動車ローンなど、人生の大きなイベントで必要となるローンの利用が制限されるため、将来の計画に大きな影響を与えます。
特に、任意整理を決断した時点では予測できなかった生活状況の変化に対応できなくなることが、後悔につながります。したがって、任意整理をしてから完済後3年〜5年経過しないとローンが組めなくなる点もしっかり念頭に置いておく必要があります。
事務所手数料が高くて任意整理した意味がなくて後悔
任意整理を進める際には、専門の事務所に手数料を支払う必要がありますが、このコストが予想以上に高額になることがあります。手数料が高いと、借入金の減額効果を相殺してしまい、結果的に経済的な負担が軽減されない場合もあります。
また、手数料の負担に見合うだけのサービスが提供されないと感じる場合、任意整理の選択を後悔することになりかねません。任意整理の広告は特に、弱者向けに「全てお任せでOK」と謳っているものがありますが、全てを任せると結果的に損するケースもあることを念頭に置き、十分に検討比較や説明を聞くようにしましょう。
任意整理を検討すべき人の特徴
返済の見込みが立たない人
任意整理を検討すべき一番の対象者は、現在の収入や資産状況では、借入金の返済が困難であると判断される人です。この状態が続くと、借入れの利息が膨らみ続け、経済的な苦境から抜け出せなくなる恐れがあります。
任意整理により、返済計画を再構築し、負債を実際の返済能力に合わせて調整することが可能となり、経済的な再生への一歩を踏み出すことができます。
一定の収入がある人
任意整理を成功させるためには、一定の収入があることが前提条件となります。定期的な収入がある人は、債権者と交渉し、返済計画を立て直すことが可能です。
この任意交渉を通じて、毎月の返済額を現在の収入に合わせて調整し、返済の負担を軽減できます。したがって、安定した収入源を持っている人は、任意整理を通じて負債問題を解決できる可能性が高くなります。
負債総額が一定範囲内の人
負債の総額があまりにも高額すぎる場合、任意整理での解決が困難なことがあります。逆に、ある程度管理可能な範囲内の負債であれば、債権者との交渉により、実行可能な返済計画を立てやすくなります。
目安としては負債総額が年収の3分の2以内までの人が、任意整理による負債整理を検討するのに適しています。この範囲内であれば、返済計画の再構築が現実的な選択肢となることが多いです。
任意整理を避けるべき人の特徴
低金利の借入れが主な負債である人
任意整理を避けるべき一つの典型的な例は、低金利での借入れが主な負債である人です。低金利の借入れは返済負担が比較的軽いため、任意整理を行うことで得られる利益が限られる可能性があります。
また、任意整理には信用情報への悪影響や、将来の金融取引に制限がかかるデメリットも伴います。したがって、返済負担が重くない低金利の借入れが主である場合、他の債務整理手段や返済計画の見直しを検討する方が賢明です。
資産を保持している人
資産を保持している人は、任意整理を避け、代わりに資産の一部を利用して借入れを返済することを検討すべきです。例えば、不動産や有価証券などの資産を売却し、その収入で借金を一部または全額返済することが可能です。
この方法を選択することで、信用情報への影響を最小限に抑えるとともに、将来の金融取引への影響を避けることができます。資産を活用することで、財政状況を健全化し、より速やかに経済的な自立を目指すことが推奨されます。
短期間での借入れ返済が可能な人
借入金の返済が短期間内に可能だと見込まれる人は、任意整理を避けた方が良いでしょう。このような状況では、返済計画を見直したり、一時的な収入増を目指したりすることで、負債を管理することが可能です。
任意整理を行うと信用情報に記録され、将来的な金融取引に悪影響を与えるため、短期間で返済が見込める場合には、そのようなリスクを負う必要はありません。代わりに、節約や収入増加の努力により、返済を加速させる方法を選択することが適切です。